2010年07月29日

へうげもの 11服

 紅鮭色の10巻に続く、こりゃまた何という色なのでしょう…唐紅(からくれない)?いや、韓紅か。





 唐入りにかこつけて朝鮮の焼き物を探りにいった織部。行った先は戦争をしている相手なのですから、行きはヨイヨイ、帰りは怖い。やっとの思いで日本にたどり着きました。死人を出しながらも、朝鮮の焼き物に触れ、作り方を習い、登り窯まで見せてもらい、技術者(英子)を連れ帰るという、収穫の多い旅となりました。

 朝鮮の視察旅行、独自の工場・実験室(美濃十作)、販路開発、伏見の酒と提携、会員制プレゼンテーション(弟子)、プロジェクト・プロモーション(伏見城山里丸)…と、織部のやっていたことはベンチャー企業と同じなんだ〜という気がします。大地震で伏見にせっかく作った屋敷も壊れちゃいましたが、たぶんこれも神の与えたチャンス。まったく新しいものを作るためには、前にあったものを壊すのが早い。

 右近、忠興、遠州、虎坊、佐竹と、ますます魅力的な戦国の男達が活躍します。
ラベル:へうげもの
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2010年01月26日

へうげもの 10服

 利休の死後の新たな世界。服喪カラーの9巻から、10巻はいっきに華やかな朱色(紅ジャケ色?)になりました。




 9巻までの凄まじいまでの緊張感は影を潜め、織部も高田純次のよう。文化も新陳代謝して、それが流行というものなんですかね〜。古い時代の権威は、利休のようにこの世から消えていくか、秀吉のように衰退を見せることによって消えていくか。最盛期に消える利休はかっこいいけど、秀吉やストーンズが、衰える姿をさらしながら茨の道を行くのもかっこいい。10巻では、5巻で南蛮趣味の心意気を見せたハンサムな高山右近も、老けメーク(っていわないか)で登場します。

 秀吉や右近、織部は、なぜそうも苦しい道を行くのか。

 それはまだ自分のやりたいことを完成させていないから。

 長生きすれば自分の理想はかなうのか。

 少なくても今の段階よりは進んでいることを想像できなければ、生きることができないかもしれません。

 「己がわび」を見出し、老成しつつあるレギュラー陣の前に、10巻ではフレッシュな登場人物が出てきました。朝鮮の窯元の英子(ヨンジャ)と、岩佐又兵衛、それと8巻から登場してきた「おくに」もレギュラー入りしそう。

 このあと関ヶ原の合戦、冬の陣、夏の陣とまだまだ見せ所が残っています。

 「人生は過酷なものぞ。さような人生への最大の復讐は笑ろうて暮らす事とは思わぬか?」

 復讐とは思わなんだが、笑うて暮らしていきたいと思いまする。
ラベル:へうげもの
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2009年12月02日

へうげもの 9服

 服喪カラーの9巻


へうげもの 9服 (モーニングKC)

へうげもの 9服 (モーニングKC)

  • 作者: 山田 芳裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/07/23
  • メディア: コミック




 とうとう利休が死んじゃいました。歴史上の事実ですからわかってはいたことですが…壮絶。

 利休は身の丈六尺もある大男だったとか。戦国武将といえども、当時の日本人男性の平均身長は150cm台くらいじゃないかと思うので、威圧感のある人だったんでしょうね。利休が考案したわずか2畳ばかりの茶室で向き合ったら、そりゃもう怖いでしょう。茶道というと、袱紗を広げたりたたんだり、チマチマしたイメージがありますが、当時のお茶はもっとダイナミックなものだったのかもしれません。

 しかしわからん。お茶はもともとお坊さんが薬として輸入したものだったでしょ。それがまたなんで、武士のたしなみになったうえに、商人の利休が切腹させられたのか(浅野内匠頭より待遇がいいし)。漫画図書館もそうですが、為政者がサブカルに口を挟むとろくなことはない。利休の最期はサブカル・リーダーの意地と見ました。
ラベル:へうげもの
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2009年02月24日

へうげもの 8服

 戦国時代の武将にして茶人、古田織部が主人公の漫画、「へうげもの 8服」(8巻)。


へうげもの 8服 (モーニングKC)

へうげもの 8服 (モーニングKC)

  • 作者: 山田 芳裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/02/23
  • メディア: コミック





 前巻にも増して、恐かったです。なんてったって、秀吉も利休も織部も実在の人物で、どんな最期を迎えたか、わかっていますからね。利休と秀吉の緊張関係は、8巻でピークに達しました。9巻でおそらく利休が死に、まもなく秀吉の時代も終わるわけです。「へうげもの」では、今のところ、家康が、実直で正義感の強い人物に描かれていますが、これからどう変わっていくのか…。

 毛利攻めの時の黒田とか、お吟が松永久永の娘とか、天海とか、「え?」と思うようなことが出てくるので、今回も1日かけて7巻までおさらいしちゃいました。読み返すと、伏線があちこちに張りめぐらせてあるもんですね〜。


 飛鳥時代の仏教や、信長時代のキリシタンなどの宗教も、茶道や琳派、歌舞伎などの芸術と同じように、ファッション(流行)に過ぎず、はやりものであるからこそ、政治に利用できるという点が恐ろしいような気がしました。大衆の心を掴む=権力ですよね。芸術家は、最初から権力を持とうとして作品を作っているわけではないと思うけど、利用しようと思えば、利用できちゃうんだ。

 
 流行が過ぎ去った後にどんな形で定着し、定着したあと、どんな形に変容していくのか。完成した絵や陶磁器は変化しないけど、茶道や踊りの所作などは、中には変化しつづけるものもあるんでしょうね。所作や解釈などが変化しつづけるということは、最初の目的も変化するということじゃないかな。…「ワビサビ」「和敬清寂」「一期一会」の精神で始まったという(「へうげもの」の利休を見ていると違うようですが)茶道を家元制度の中で習っている方々を思い起こしてみたりしますと。

 閑話休題。

 結局、自分の美意識や価値観は独自なものであり、他人が作った既存のものでは満足することができないんだなぁ…。自分がシアワセ、もしかして、幸せでなくても、自分らしく生きるためには、自分が本当に欲しいものを探さなくてはならない、といういう厳しいメッセージを感じました。


 「へうげもの」では、1話(一席)ずつ、昔懐かしい曲をもじったタイトルがついていたり、裏表紙に、いろいろな国のことばで、簡単な説明がついていたりと、本編以外でもいろいろ楽しめます。今回の裏表紙はドイツ語。まだヒンディー語は登場していません。

 
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2008年08月30日

へうげもの 7服

 う〜ん、ますます戦国時代っぽくなってきました。今回の見所は、小田原責め、宗二の死、伊達政宗、奥州より来たる。家康の江戸造成プラン、織田長政剃髪する、などなど。歴史が動いています。利休もどんどん恐くなる。…また前巻(6巻)まで、おさらいしちゃいました。



へうげもの 7服 (モーニングKC)

へうげもの 7服 (モーニングKC)

  • 作者: 山田 芳裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/08/22
  • メディア: コミック




 「へうげもの」の最初の頃は、美意識は、茶の湯を中心とした、趣味として描かれていましたが、しだいに人生をかけるものになってきました。ひとくちに「茶の湯」といっても、お茶をおいしくいれるだけではなく、茶道具や建築まで含めた、トータル芸術なんですねー。『知られざる魯山人』を読んだときも思ったのですが、美意識を貫くって、命がけです。

 この後、歴史上では、利休は切腹し、秀吉も死に、関ヶ原の戦いを経て、徳川幕府が誕生するわけですが、利休七哲や織田有楽斎は、けっこう長生きした人が多いのですね。画家にも長生きする人が多く、絵を描くのが運動になるんだろうか?と思っていましたが、美意識の高い人は、生に対する執着心が強いか、精神的にタフなのかも。
 
 8巻も楽しみです。
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2008年03月25日

へうげもの 6服

 ますます高まる秀吉と利休の軋轢。


へうげもの 6服 (モーニングKC)

へうげもの 6服 (モーニングKC)

  • 作者: 山田 芳裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/03/21
  • メディア: コミック




 二人が争っているものは「権力」。戦国大名が茶道の師匠である利休の価値観に影響されることが、天下統一という政治にまで支障があるというのは意外な感じがしましたが、…人間ってそういうものかも。力で押さえつけても、自分がいいと思う方向に進みたがるのかも。でも、「いいと思う」価値観も流行だし、流行は作られるもので、知らず知らずのうちに誰かの価値観を押しつけられて踊らされていることも多いような気がします。

 秀吉が欲しがる権力は、政治を動かす力であり、その権力を自分だけでなく自分の子孫にまで継承させることができる地位。利休は自分の美意識で統一された世の中を見たいと思う…ふたりとも、自分の価値観で世界を変えたいと思っているのです。

 自分がいいと思うものを自分だけで楽しむってわけにはいかないもんなんですかねー。武将は無理か。そんなこと言っていたら滅ぼされちゃうから。美意識もそういうものかもしれませんね。自分の美意識で構成された空間を作っても、窓開けたらブチ壊しになるような景色だったらしょうがないもんね。しかしそうなると、美意識も命がけというか、楽しむより苦しいんじゃないの? >利休さん
 
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2007年06月09日

へうげもの 5服

 5月にはまった漫画「へうげもの」、5巻が出たので、さっそく買いに行ってきました。


へうげもの 5服 (モーニングKC)

へうげもの 5服 (モーニングKC)

  • 作者: 山田 芳裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/08/23
  • メディア: コミック





 今回もすごくおもしろーい!

 忠臣蔵好きだし、大河ドラマもほとんど欠かさずに見ている、時代劇ファンですが、古田織部のことは、緑色の釉薬などで有名な、「織部焼き」しか知りませんでした。この漫画のような人だったかどうかは、疑わしいけど(^^)、とにかく織部についてもっと知りたくなります。

 茶の湯全盛期の安土桃山時代の話なので、茶碗や茶杓、茶釜などの名物のうんちくが、(漫画に登場人物である)織部の美意識を通して語られています。同じようなうんちくもの漫画の「美味しんぼ」と似ていますが、「美味しんぼ」が、実は美食ではなく、親子の話であるように、「へうげもの」も、茶の湯の話ではなく、戦国時代の政治の話です(今のところ)。

 5巻の見所は、高山右近!
 
 豊臣秀吉がバテレン追放を始め、信長時代には、時代の先端をいっていたキリシタン大名も棄教を迫られます。古田織部の妹を妻にしている高山右近も、バリバリのキリシタン大名ですが、棄教を拒みます。その理由は…



 「好き」という感情ほど、大事なものはないと、常々思っています。少なくとも、私にとっては、「成功」とか「達成」、「安定」より、「好き」なものを楽しめるか、ということの方が重要。「好きなものが欲しい」という欲望、衝動がなくなったときこそ、我が人生の終焉と思いながら、生きています。

 「へうげもの」は、戦国時代の政治というハードな題材を、へうげもの…ひょうげた軽いノリの「数奇者」の価値観で描いているところがおもしろい。本来ならば、茶の湯は生き死にには関係ない、どうでもいいことですが、茶の湯の趣味にも人柄が出るし、政治にも使う。

 作者の山田芳裕は、私と同世代らしいのですが、毎回、タイトルに、ロックやR&Bを中心にした、懐かしのメロディーの曲名をもじったものが付けられています。…ポップ・ミュージックも、はやりものという意味では、茶の湯とそうかわりがないかも。

 高山右近の「南蛮趣味」は、グラムかパンクロックっていう感じかな〜。Yeah!
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2007年05月19日

へうげもの 2服〜4服

 きのう1巻しか買わなかった「へうげもの」、おもしろいので、きょう、2〜4巻を買って来ちゃいました。(せっかく本棚を整理して、本を減らしたばかりだというのに…)


へうげもの―TEA FOR UNIVERSE,TEA FOR LIFE (2服) (モーニングKC (1512))

へうげもの―TEA FOR UNIVERSE,TEA FOR LIFE (2服) (モーニングKC (1512))

  • 作者: 山田 芳裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/04/21
  • メディア: コミック



 


へうげもの―TEA FOR UNIVERSE,TEA FOR LIFE (3服) (モーニングKC (1545))

へうげもの―TEA FOR UNIVERSE,TEA FOR LIFE (3服) (モーニングKC (1545))

  • 作者: 山田 芳裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/08/23
  • メディア: コミック





へうげもの 4服 (モーニングKC)

へうげもの 4服 (モーニングKC)

  • 作者: 山田 芳裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/01/23
  • メディア: コミック





 おもしろ〜い!!

 1日に3度も繰り返して読んじゃった。バカみたいですが、繰り返して読むと、1度読んだだけでは気づかないことも、気づきますなぁ。こま割の枠線がフリーハンドだとか。カヴァーデザインが、シマダヒデアキさんという人だったり…シマダヒデアキという名前の人は多いんでしょうか?高校の漫研のOBにもいましたが、検索をかけると、他にも何人かいるみたいです。

 もうひとつの発見は、タイトル。1話ごとに、「第○席」として、タイトルがついていますが、1巻に登場するタイトルはこんな感じ。

  第一席 君は"物"のために死ねるか!?
  第二席 黒く塗れ!
  第三席 碗LOVE
  第四席 茶室のファンタジー
  第五席 天界への階段
  第六席 強き二人の茶事
  第七席 京のナイト・フィーバー
  第八席 カインド・オブ・ブラック
  第九席 天下よりの使者

 はい、もうお気づきですね。懐かしい曲のパクリです。

  君は人のために死ねるか(杉良太郎, 1980)
  黒く塗れ(THE ROLLING STONES, 1966)
  ONE LOVE(BOB MARKEY, 1979)
  宇宙のファンタジー(EARTH,WIND&THE FIRE, 1977)
  天国への階段(LED ZEPPELIN, 1971)
  強き二人の愛(LED ZEPPELIN, 1969)
  恋のナイト・フィーバー(BEE-GEE'S, 1977)
  カインド・オブ・ブルー(MILES DAVIS, 1959)
  宇宙よりの使者(EARTH,WIND&THE FIRE, 1974)

2巻以降で、ストーンズに関係するタイトルはこんな感じ。

  第十二席 武田をぶっとばせ
  第十五席 レイン フォール ダウン!?
  第十八席 天下を憐れむ歌
  第二十一席 哀しみの天主
  第三十三席 一人ぼっちの世界
  第三十九席 START ME UP

 ストーンズだけが多いわけではなくて、デヴィッド・ボウイーとか、ラナウエイズ、ボブ・ディラン、ポール・ウエラー、などなど。

 このタイトルを見ただけでも、ただの戦国時代テイストの漫画じゃないことは一目瞭然。芸術家と権力の関係は、イタリアのルネッサンスにも似ているかも?作風は全く違うのですが、塩野七生の小説を思い起こさせるものがあります。江戸時代はムガル帝国時代にも似ているような気がするし、時代って、急激に変化したり、停滞したりする時期が、どこの国にもあるんでしょうか。

 5巻が楽しみです。
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2007年05月18日

へうげもの 1服

 高校生の頃、漫画研究会にいたこともあり、漫画は好きですが、漫画雑誌を買わなくなって20年以上も経つので、なかなか新しい作家を知る機会がありません。友人の口コミか、新聞や雑誌の記事で目についた漫画を買ったり、買わなかったり。

 朝日新聞のこの記事を読んで、「へうげもの」(山田芳裕)を買ってみました。
 

へうげもの―TEA FOR UNIVERSE,TEA FOR LIFE (1服) (モーニングKC (1487))

へうげもの―TEA FOR UNIVERSE,TEA FOR LIFE (1服) (モーニングKC (1487))

  • 作者: 山田 芳裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/12/22
  • メディア: コミック





おもしろい!


 「へうげもの」は、織部焼で有名な、古田左介(織部)が主人公。戦国時代の武士、しかも織田信長の直臣でありながら、立身出世より茶道に対する執着心が強い織部と、戦国時代の政治がからんだ、漫画です。1巻しか買ってこなかったけど、すぐ次が読みたくなりました。
posted by とーこ at 14:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 山田芳裕 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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